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2007
09.20

“YOUR LIFE”から“love your life”へ。

ラヴユアライフ
石田ショーキチ
love your life

2007.9.19 発売
税込¥3,000
[KICS-1331]



“あの日、あの歌が耳に届いていなかったなら”

という曲がある。今から遡ること13年前の、4月24日のことだ。
その日を今でも鮮明に覚えている。

ガラスの温室とそれを埋める緑を背景に、切なくも激しい芝居を観ていた。

目に見える風景は、いつも自分自身の心象風景を映したそれだから、記憶の中のそれもまた実際より、何がしかのゆがみを投影していたと思ったほうがいいのかもしれない。

それでもそのお芝居の世界はまるで自分のように痛かった。

『アローン・アゲイン』

キャラメルボックスの演目だ。多分楽日だったと思う。
芝居の世界もこなれたうえに、何か独特の高揚があったのも事実だろう。
でもその芝居の世界もさることながら、私の頭を直撃したのはこのお芝居で使われていたある曲の旋律だった。

それがSPIRAL LIFEの「20TH CENTURY FLIGHT」。

完璧なコード進行、完璧なメロディライン、完璧なヴォーカル、完璧なアレンジ。
そして完璧な歌詞。




この瞬間に私の人生は、「それまで」から「それから」に完全に切り替わった。



この曲を作曲したのが、石田ショーキチだった。









SPIRAL LIFE、SCUDELIA ELECTRO、そして、MOTORWORKSでの活動を経て、いま39歳にしてソロ・アーティストとなった石田ショーキチのデビューアルバムが、昨日、満を持して発売された。

新宿のタワーレコードに、前もって予約を入れておいた私は、意気揚々と買いに出かけたのだった。

正直なところ、ここ数年、学生時代のような飢えとモチベーションで、音楽を聴くということは殆ど無くなっていた。

聴く時間がない。「時間がない」という言い訳も妙ではある。家事をしながらでも、仕事をしながらでも、ただ「流しておく」ことはさして難しくないから。でも私はあまりそういう聴き方をしても聴いた気になれなくて、やっぱり居住まい正して、ちゃんと歌詞カードも読んで、ときどき窓の外を見ながら物思いに耽って……という内向きの付き合い方を求める。

音楽はいつも、3つでピアノを始めた頃から、自分の内側に向いて座って見つめあう友達のひとりだった。

でもそんな風に付き合う余白が暮らしの中でなかなか取れなくなっていた。家族をもち、子どもを育て、仕事をし、という日々は幸せだ。幸せは幸せなのだ。けれど時々そんな幸せに麻痺する。疲労さえもする。

疲労をすると目が曇る。そんな目をこすって覚ます時間、私はほんの時たま、内側を向いて黙って友達の声に耳を澄ませ、心を明らめる必要があった。

でもそんな隙間が生じるたびにすかさず本を読んだり、雑誌を読んだり、勉強したり、運動したりしなければならないと思う。時間を有効に使うとはそういうことだから。そうでなければただその隙に眠りたい。

折角だからと音楽を「流して」横になると、いつもろくすっぽ耳に届く前に寝ついてしまった。

何となく……何となく、そんな風に、何年も過ぎた。





それでも好きな音楽を通じてつながった友だちと、年に何度かライヴハウスに足を運ぶなどして、生音に触れてはチャージするということは続いていた。

今年、8月半ばの晩も、そんな風に新宿の小さなライヴハウスに駆け込んだ。まだ赤ちゃんの次女を帰宅した夫に預け、ばたばたして着いたのはもう開演した後だった。

その日は、昨夏、若くしてその日々を終えた、石田ショーキチの盟友・山田貴久氏を偲ぶステージで、私としてはとても新鮮な、アコースティック・ライヴだった。

音量も然程大きくない。歌詞が聞き取れる。だからこそ、そこれ歌われた「新曲」の『Love your life』は、声色と一緒に歌詞がしっかりと届き、刻まれたのだ。

何年ぶりかで、

また、頭を殴られたような気がした。

殴られたというか、

揺さぶられた。

身体を縦に。



「そう来るか!」と。
あまりに、ストレートで、
まっとうで、
捨て身で、
飾らない。

それを「シンプル」と言うことも可能だけれど、
「何がシンプルか」と斜めに観ることこそスノッブなのかもしれないけれど、
だから何なんだ?! と。

いま此処に生を受けていて、
受け続けていて、
そんな自分を100パーセント真っ直ぐに求めてくれる存在が、
一人でもいて、
何を世を拗ねた言い方をする必要があるんだろう。

「いい人生じゃない?」。

「悪くないじゃない?」。









「縦に揺さぶられた」あの感覚を感動ということもできる。
これがCDになって尚、揺する。
掃除し「ながら」聴いて尚、ダイニングテーブルの下を雑巾がけする、
その背に10ヶ月の娘がよじのぼる、
その感触を感じながら、
泣けてしまう。




所謂“捨て曲”の一曲もないアルバムだ。
だから一曲一曲を「これはここがこんなにいい」と言い募りたいのは、
やまやまだけれど、もう後は言葉を募らせずに唯「いい……」と黙って向き合いたい。

ただこの 『Love your life』 だけは、今だから、
こんな時代だから、
こんな時代を、真摯に生きている私、
私たちだからこそ、必要だし、
多くの人の耳に届け、と願う。





届きますように。

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コメント
トラックバックありがとうございます、
こちらからだと何か設定がうまくいかないようなので
ブログごとリンクさせていただきました。

よろしくお願いします♪
まりりんdot 2007.09.21 01:24 | 編集
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